昨年にNewsPicksbookより発売された本のレビューです。ライブストリミーングサービス「SHOWROOM」代表の前田裕二さん著書「人生の勝算」。前田さんの生い立ちから、投資銀行時代の活躍、SHOWROOM立ち上げまでの苦悩、これからのことが素直に書かれていて、前田さんという人・SHOWROOMの魅力が物凄く伝わってくる素晴らしい書籍。最後のエピローグを読んで本を閉じた瞬間全身鳥肌が立って、感動と読み終わってしまったことの寂しさが込み上がってくる。そんな一冊でした。

読み終わってすぐにPCの前に向かい、このレビューを書いています。各章毎で印象に残った箇所をご紹介します。

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第1章 人は絆にお金を払う

第1章は幼くして最愛のお母さんを亡くされ、たくさんの苦労をされた子供時代のエピソード。路上で弾き語りしながら試行錯誤しお金を稼がれていたそうなのですが、当時から前田さんの思考力の高さをが垣間見えます。

スナック化

第1章で最も刺さる内容だったのが、「スナックはなぜ潰れないのか」ということ。地方の街などにひっそりあるスナックはどう見ても流行っている様子もないのなかなか潰れません。それは何故なのか?

①人がスナックにお金を払う背景には「ヒト」が深く関わっていること

スナックにおける大きな特徴がママという存在。完璧な美人さんではなくどこか頼りないところもありますが、いつも笑顔で迎えてくれて温かいコミュニケーションが取れる。時にはお手製の料理を振る舞ってくれ、お酒を飲みながら語り合える。時に自分の悩みを打ち明けてしまう。

ママの存在がスナックの大きな売りになっているのです。

②「モノ」ではなく「ヒト」が消費理由になる場合、そこに「絆」という対価が生じる

スナックはママが最大の売りですから、特別高価なお酒や美味しい料理がある必要はありません。顧客はそれを求めて来ていないのですから。「モノ」が消費の理由にはなっていないのですね。

 

ママという余白の存在

「余白」というのが重要キーワードです。ママは完璧である必要は全くなく、むしろ助けてあげたくなるような余白があるくらいがちょうどいいのです。前田さんのよく行っていたスナックでは、ママがいつもすぐに酔い潰れてしまい、お客さんの方がグラスを洗ったりお酒を作ったりしていたそうです。普通なら考えられないような光景ですよね。店員とお客の境目がなくなってしまっているのです。

この余白をうまくビジネスに活用しているのがAKBグループです。

彼女たちは一昔前のアイドルとは違い「会いにいける」というものを売りにしていますが、一方でどこか完璧ではない余白があります。だから、ファンは一生懸命応援して自分の推しメンを上位に押し上げようと必死になる。この余白の設計が絶妙にうまい。

一方でジャニーズに代表されるようなアイドルは存在を完璧に美化しています。一点の曇りも許されず余白がないのです。だから、TOKIOの山口さんのスキャンダルのようなことがあると復帰不可能になってしまうくらいのダメージを受けます。

 

このようにお金を消費する側・される側の境目がなくなってしまうようなビジネスモデルをスナック化と呼び、コミニティ形成において今後重要なキーワードの1つになるんではないかと考えます。

私の参加しているオンラインサロン「箕輪編集室」も、消費する側が積極的に行動しているのを見るとスナック化しているなと実感します。

第2章 SHOWROOMが作る新しいエンターテイメントの形

前田さんが代表で発案されたサービスの「SHOWROOM」。それは今のエンターテイメント業界に一石を投じるものでした。生まれ持ったルックスや本質的な表現とは関係のないコネ・自分ではどうにもできない生まれ持った環境によって、その運命のほとんどが決まってしまう。これはおかしいのではないか?

どんな境遇でも努力や熱量があれば夢は叶えられる・報われる、そんな場所を作りたいという理念をベースに生まれたのが前田さんのSHOWROOMです。

私も自分の大きな価値観に「どんな境遇でも」という言葉が入っていますので、凄く共感できます。

特別なルックスやコネがなくても大丈夫。かつて路上で弾き語りをしていた少年やスナックのママのように、正しい努力をすれば食べていける場所がある。それがSHOWROOMという訳ですね。

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第3章 外資系投資銀行でも求められたのは思いやり

ここから前田さんのSHOWROOM以前のお仕事をされていた時のエピソードに入ります。

外資系投資銀行での営業時代も、やはり前田さんは誰よりも圧倒的な結果を出している訳ですが、この章を見て感じたのは、とにかく超一流の人は元々の才能の上に、更に圧倒的な努力をしているということ。そして、明確な目標やメンターの存在があること。

USB時代の前田さんの上司でありメンターの宇田川さんの話は、是非とも参考にさせて頂き実践します。

「誰からも好かれてサポートしてもらえる環境を作ること」

「自分のこと以上に周りに時間を使って、周りを強く育てること」

周りの人から好かれることの大切さ、当たり前のようでちょっと雑になっていたかなと感じることがありました。好きになってもらうには、自分が好きにならなくてはなりません。プライベートもビジネスも、全力の愛情を持って関わる人に接していこうと心に決めた章でした。

第4章 ニューヨーク奮闘記

入社2年目で希望でもあったアメリカニューヨークへ転勤し、前田さんはそこでも圧倒的な結果を残します。十分なお金も稼いでいる中で、子供のころ自分にギターをくれた親戚のお兄さんの突然の死をきっかけにして起業への道を志していきます。

この中で書かれている「モチベーション」について。

色々な知識やスキルはありますが、モチベーションは全てのあらゆる仕事術に勝る要素なのだそうです。世の中の課題はだいたいモチベーションで解決できると言い切っています。そのモチベーションが自分自身どこから生まれてくるのか。その設計がしっかりできていれば、何にも勝る大きな武器となるでしょう。

自分自身では、このブログも別の様々な活動も、自分の成したい夢に向かってやっていることです。これがモチベーションの燃料になっています。でも、モチベーションの源泉はもっと深い場所に真理があるような気がします。ここは別の本も読んでもっと深く掘り下げてみたくなりました。

 

「人生のコンパスを持つこと」

恐らくこの本で前田さんが最も伝えたいことの1つがこれ。自分の価値観をしっかり認識し、人生という航海に出ても迷わないようなコンパスを必ず持つこと。あらゆる意思決定の指標になるのが自分の中のコンパスです。これは全ての人にとって必要なことです。是非、皆さんも自分自身のコンパスについて考えて見てください。

第5章 SHOWROOM起業

前田さんほどの人でも、起業し新しい価値を世に提供するということはこれほど難しいことなのか…と息を飲んだお話でした。運命的なパートナーとの出会い、大きな挫折、それを経て得た絆、アイドルにまずは特化したライブストリーミングへの転換、秋元さんとの縁。

特に秋元さんとのエピソードは相当痺れました。

何度かSHOWROOMを提案してもなかなか興味を持ってもらえない。ロサンゼルスまで秋元さんを追いかけ、その機内で秋元さんの書籍を全て持ち込んで毛穴剥き出しで秋元さんの価値観をインプットしたのだそうです。ロスについた頃には半分秋元さんが自分の憑依したと言えるくらいだったとのこと。

半端じゃないですね…。

結果、秋元さんと直接お話をする機会を得て、前田さん自身とSHOWROOMを認知して頂けるようになり、SHOWROOM内でAKBグループのライブストリーミングサービスがスタート。

SHOWROOMは新しいフェーズに飛躍することができました。

第6章 SHOWROOMの未来

この章で興味深いのは、前田さんがソーシャルネットワーキングサービスの次に世界を席巻するのはライブストリーミングサービスであると言い切っていること。

5Gなどの次世代通信インフラが整えば、常時ライブでコミュニケーションが可能な時代がやってくる。その時、SHOWROOMは世界を制すると確信している。リアルタイム性とアナログ性。スマホもこの10年で劇的な進化を遂げたツールです。この先10年、また違ったコミュニーションが主流となり私たちの世界は大きく変貌していくのかもしれません。

 

そして、最後のエピローグ

前田さんの人間性が滲み出ていて感動しました。自分の信じた「人生の勝算」という大きな志があることは、とても幸せなことで他者をも幸せにできる力がある。ワンピースのように、海賊王になるというコンパスにたくさんの仲間が集ってくる。社長は孤独ではない。たくさんの人に支えられているのだ。

愛情深く、それでいて圧倒的努力家で力強く、優しさを持ち合わせた天性の天才、前田祐二さん。

若干30歳の若者が、この先見せてくれるであろう未来に胸が高鳴りつつ、自分も少しでもその魅力をトレースしたいと思える素晴らしい1冊でした。

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